culture, style

トゥルーカラーズ

元祖プライドフラッグのストーリー、
そしてこの旗がRalph Laurenの新しいコレクションとキャンペーンにもたらしたインスピレーションとは

ポール・L・アンダーウッド

Ralph Laurenと旗といえば、星条旗、それもおそらくイーストハンプシャーのRRL バーンにある、あのアイコニックな旗をあしらったセーターを思い描くのではないでしょうか。あるいは、フランシス・スコット・キーがアメリカ合衆国国歌「Star-Spangled Banner(星条旗)」を作詞するきっかけとなった星条旗を思い起こすかもしれません。ラルフ・ローレンも個人的に修復を支援したその旗は、現在ワシントンDCのスミソニアン博物館に常設展示されています。

でも、この夏の#RLPride Poloカプセルコレクション向けにラルフ・ローレンが着目したのはもう一つのアイコン。それはギルバート・ベイカーが1978年にデザインしたレインボーフラッグ(プライドフラッグ)です。2年前の米国建国200年祭では、米国民は独立200周年を記念し、そこかしこで星条旗を掲げて祝いました。これを見て、ドラァグパフォーマンスの衣装づくりのためもあって裁縫を習っていたサンフランシスコ在住のゲイの退役軍人ベイカーは、ゲイコミュニティにも自分たちのための旗が必要だと感じました。「私たちは何か美しいものを求めていました」。ベイカーはのちに、2015年にこの旗を入手したニューヨーク近代美術館にこう語っています。「私たちの内面から溢れ出る何かを」。ベイカーは、カリフォルニア州で初めてゲイを公表して公職に当選したサンフランシスコ市会議員、ハーヴェイ・ミルクの勧めがあって、今日知られている虹の色をモチーフにした旗のデザインに取り掛かりました。

Ralph Lauren

「私たちは何か美しいものを求めていました」と語った
ギルバート・ベイカー。「私たちの内面から溢れ出る何かを」

ベイカーによるオリジナルのデザインでは、ゲイコミュニティの要素を表す8色(「生命」を意味する赤、「癒し」を意味する橙、「太陽」を意味する黄、「自然」を意味する緑、「平穏」を意味する青、「精神」を意味する紫)を選んで誇らかに表現しています (残りの2色、「性」を意味するピンクと「魔術・芸術」を意味するターコイズは染料の入手にかかるコストが高いため、最終的にはなくすことになりました)。30人のボランティアチームが徹夜で作業を行い、ベイカーはゲイコミュニティセンターの屋根裏部屋で、染料がいっぱいに入った数々のごみ箱と1台のミシンを用いて最終製品を縫い合わせ、オリジナルの旗を制作しました。このレインボーフラッグが最初に掲げられたのは1978年6月25日、場所はサンフランシスコの国連プラザでした。その後、同年に精神が錯乱した元同僚にミルクが暗殺されると、この旗の需要が高まりました。

1994年には、ストーンウォールの反乱から25周年を記念して、ニューヨークシティに長さ1マイル(1.6km)のレインボーフラッグが展示されました。この旗は史上最長の旗として記録され、レインボーフラッグが紛れもなくゲイムーブメント最強のシンボルであることの証となりました。「旗はどの芸術形態とも異なります」と、ベイカーは自分の作品がそれほど強い反響を得た理由を振り返ってこう語っています。「絵画ではないし、ただの布でもなければ、単なるロゴでもありません。実に多様な役割を持っています。私たちにはこのようなシンボルが必要でした。ある人間集団を表す誰にでも一目瞭然の印が必要だったのです… 私たちは一つの人間集団であり、いわば一つの部族です。旗とは力を宣言するものですから、まさしくうってつけの表現形態といえます」 ベイカーは2017年に就寝中に死亡。(Busty Rossというちょっとセクシーなドラァグネームで、作者としての名声を不動のものにしているものの)、特許は取得していなかったため、レインボーフラッグは確実にLGBTQIA+コミュニティの所有物となりました。

現在ではアイコニックな存在になっているベイカーの旗は、大人および子ども用のジェンダーニュートラルなアイテム5点(Tシャツ、ベースボールキャップ、フーディ、トートバッグ、ポロシャツ)を含む Ralph Lauren Pride 2019 カプセルコレクションのモチーフとして採用されました。このコレクションをサポートする#RLPrideキャンペーンでは、その価値観を表現する6人のトレンドセッターがフラッグの「平穏」から「太陽」までのそれぞれのカラーを背景に登場しています。また、長年Ralph Laurenのテーラーを務め、LGBTQIA+コミュニティの一員でもあるアルバート・トーレスが撮影用に独自のレインボーフラッグを制作し、各カラーの標語を対応するカラーのストライプに縫い付けました。このコレクションはLGBTQIA+コミュニティにインスパイアされただけではありません。その活動を支援していくものです。Tシャツの購入価格の100%、およびその他のアイテムの購入価格の50%が、ストーンウォールコミュニティ基金に寄付されます。

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この支援により、Ralph Laurenは LGBTQIA+コミュニティとの長年にわたる関係を持続させていきます。Ralph Laurenは1990年から AIDS Walk NYC のスポンサーを務め、LGBTQIA+の青年を対象にした(ただし LGBTQIA+に限定されない)公立学校であるニューヨークのHarvey Milk Schoolなどの組織とも連携しています。また、Ralph Laurenは、LGBTIの人権に関する国連のビジネススタンダードにも加盟し、職場での LGBTQIA+コミュニティの権利を守るために企業が従うべきグローバルビジネススタンダードを実践しています。

このような運動やコレクションのすべてが一体となって、Ralph Lauren独自の精神を表現しています。「なりたいものになりなさい」。ラルフ・ローレンはこう言っています。「しかも、たくさんのものに」 このコレクションとそのインスピレーションの源となった旗は、1人の人間にどれほど多くのことができるかを実証しています。

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