動く ために 生まれた

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動く ために 生まれた

Polo Sportの起源、そしてその影響
 

カルチャー

動くために生まれた

Polo Sportの起源、そしてその影響

アンドリュー・クレイグ

それは1991年のことでした。ラルフ・ローレンとそのチームは、翌春に発表する次のコレクションに取り掛かっていました。常にスポーツライフにインスピレーションを受けてきたPolo。このコレクションでは、翌1992年のバルセロナオリンピック夏季大会に向けて、スポーツマンシップを前面に打ち出すことになっていました。ラルフとそのチームは、歴史ある陸上競技の図像、ヴィンテージのアスリートのユニフォーム、そして1930年代のオリンピックポスターの華やかなイメージを研究し、新たなスポーツマンスピリットで構築された大胆なデザインのシリーズを作り上げました。その結果生まれたのが、今や伝説となった Stadium コレクション。これらすべての影響を集約した新しいPolo Sportラインの 誕生です。

ブロンクスで育ったジェリー・ローレンは、自分とラルフの周りにはいつもスポーツがあったと言います。「でもテニスクラブには入っていたわけではありません。身近にあったのはストリートスポーツです」 ブロンクスでプレイされていたバスケットボールのピックアップゲームが、1967年のPoloの誕生から25年後のPolo Sportの発表まで、Poloのスポーツに対する姿勢にインスピレーションを与えてきました。

ジェリーによると、Polo Sportは、ラルフがその四半世紀に成し遂げた他の何よりも、ラルフのアメリカンドリームの中核を担っていたのです。彼はこう言っています。「それはまさしくPoloでした。ただPoloにもう一つの側面が生れたのです。まさにオリンピックの考え方でした。ストリートであれ、それがどこであれ」

最初から成功でした。Polo Sportの一連のキャンペーンで起用されたのは23歳のモデル、タイソン・ベックフォード。サイクリング、ボクシング、ランニング、ジェットスキーをフィーチャーしながら、ブランドの精神を見事に体現し、スーパーモデルのナオミ・キャンベルとも共演を果たしました。Polo Sportはファッションシーンだけでなく、より広範なアメリカンカルチャーの世界を席巻していったのです。

「当時は、服があり、それからエクササイズウェアがありました。そのスペースに、まったく違うアプローチでファッションブランドが入ってきたのです」と、『Esquire』誌のスタイルディレクター、マシュー・マーデン氏は言います。「私がファッション業界にいる理由は、Polo Sportです」と、ストリートスタイルにこだわるModa Operandiのメンズファッションディレクターのジョシュ・ペスコウィッツ氏は付け加えます。「私は最初の仕事として、Polo SportのXXLサイズのスウェットパンツを割引で購入するために洋服屋で働きましたが、振り返ってみると、私は間違いなくただ手段を必要としていただけです。私はそのスウェットパンツを擦り切れるまで穿きました。最高の一着でした」

Ralph Lauren

 

1996年の Polo Sportキャンペーンの写真

Ralph Lauren

私がファッション業界にいる理由は、
Polo Sportです。

Ralph Lauren

ラインの中心は、スウェットパンツからジップアップ スウェットシャツ、タンクトップ、スイムトランクス、そしてスキーパーカーまで、シーズンに合わせた機能的なスポーツウェアでした。デニム オーバーオール、USA フーディ、そしてバルセロナオリンピックでアメリカの選手が着用したデニムジャケットをアレンジしたアイテムにも、すべてタイムレスなPolo Sportロゴがあしらわれていました。「ゴシックの書体と星条旗が描かれたクラシックなロゴ。これが私に語りかけてきたのです」と、『Highsnobiety』編集長のジアン・デレオン氏は言います。「Polo Sportは、もはや父の世代の Poloではないと」

Ralph Lauren

Polo Sportを着たレーサーベアは1997年にデビュー

その後、鮮やかな色と大胆なセーリングのグラフィックを採用したWorld Challengeや、ウィンタースポーツのスタイルコードの定義を変えた Snowboarding (別名 Snow Beach)など、今ではコレクターの間で有名なアイコン的存在となったカプセルコレクションが続きました。

1993年、Polo Sportにふさわしい舞台として、ニューヨークに専門店が登場しました。広さ930平方メートル超の立派な2階建てのこの店舗は、現在はさらに広大な Ralph Lauren ウィメンズフラッグシップストアの店舗となっている 888 Madison のラルフ・ローレンの有名なラインランダーマンションと、マディソンアベニューをはさんで向かいにあります。光沢のある壁とステンレススティール仕上げの明るく洗練された空間は、有名な建築家、チャールズ・グワスミーの設計によるもので、スポーツライフスタイルとラルフのビジョンの現代性を体現した神殿でした。すっきりとした美しい店内に、天井から美しく吊り下げられたレーシングスカルなど、1930年代のヴィンテージのスポーツポスターやスポーツ用品が飾られました。中央には一段下がったスペースがあり、テクニカルスキースーツやキルティングマイクロファイバーのエクエステリアンジャケット、ストレッチコットン・ライクラ混紡素材のレギンス、陸上競技のタンクトップなどを買いに来られたお客様がくつろげるよう、実際に使用できる暖炉とバルセロナチェアがしつらえられました。

Polo Sportの成功が、ハイテク素材と機能をさらに充実させパフォーマンスを飛躍的に向上させたRLXの誕生に繋がっているのです。そして、RLXはRalph Lauren の洗練を極めたPurple Label ラインの傘下で継続しつつ、Polo Sportがついに単独コレクションとして戻ってきました。まず、5月30日に限定コレクション、続いて今後のコレクションに投入されるカプセルが発表されます。「かつてはスポーツのためのストリートファッションでした」と、ジェリー・ローレンは言います。発売されてから四半世紀経った今、最高の状態に仕上がっています。

POLO SPORT : タイムライン

1992 - 今や伝説となったStadium コレクションで、Polo Sport を発表

1993 - マディソンアベニューにあるRalph Laurenの有名なラインランダーマンションの向かいに Polo Sport ストアがオープン

1993 - あのSnowboarding コレクションを発表

1994 - Polo Sport単独のランウェイを開催

1994 - タイソン・ベックフォードを起用した初めてのPolo Sportの広告が登場

1995 - 2回目のPolo Sport ランウェイで、ローラーブレードを履いたモデルがキャットウォークを滑走

1996 - マウンテンスポーツをテーマにした96年冬のコレクションで、現在コレクターが「シルバーサーファー」と呼ぶジャケットが登場

1997 - Polo Sport キャンペーンで初めてベックフォードとナオミ・キャンベルが共演

1997 - レーサーベアが、ネオンイエローのキルティングPolo Sportジャケットを着てデビュー

1998 - よりラギッドなマウンテンスポーツの美学を体現したSportsmanおよび Sportswoman コレクションがデビュー

1998 - RLXが競技用スポーツウェアラインとしてデビュー

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アンドリュー・クレイグは Ralph Lauren のメンズコンセプトエディター。

  • 撮影:トム・グールド
  • 協力:Ralph Lauren Corporation
  • 撮影:トム・グールド